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本と映画と政治の批評
by thessalonike2


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無知と倣岸の三木谷浩史 - 二人三脚の創業者同志を粛清
無知と倣岸の三木谷浩史 - 二人三脚の創業者同志を粛清_e0079739_9542840.jpg田尾安志が三木谷浩史による解任はないだろうと踏んでいたのには十分な根拠がある。それは、何と言っても新生楽天球団そのものが、三木谷浩史と田尾安志の二人で、二人三脚で作り出したものだからだ。楽天がライブドアを蹴落として新規参入を果たすにあたっては、田尾安志の果たした役割は決定的に大きかった。誰でも覚えていることだが、楽天は新規参入の意思表明をした後、直ちに組織作りに着手し、田尾安志を監督に、キーナートをGMに指名して体制固めを図った。機構が選考を始めたきわめて重要な時期に、三木谷浩史は必ず田尾安志を伴って会見し、ツーショットでカメラに収まり、楽天の新規参入が確定的な事実であるように報道を演出していた。最初に手を挙げて先行者の優位性を持って持っているはずの堀江貴文は組織編成で後手に回り、無名の若僧をGMに指名して、その「本気度」を一般に訝らせる結果に導いた。監督を要請されたオマリーもまた、堀江貴文の新球団の「本気度」を疑って腰が引けていた。



無知と倣岸の三木谷浩史 - 二人三脚の創業者同志を粛清_e0079739_9544136.jpg楽天の「本気度」がそれらしく大衆に映ったのは田尾安志の功績である。最初はライブドアに傾いていた世論も、堀江貴文の尊大傲慢ぶりを見せられ、田尾安志の真面目さを見せられて、次第に楽天有利の方向へ流れ、結局は機構側の当初の目論見のまま結論が決まって行った。堀江貴文が敗北したのは世論を味方につけられなかったからだが、本来は堀江貴文と同じかそれ以上に不遜で酷薄な三木谷浩史の実像が前面から隠れ、ライブドアと比較して相対的に楽天のイメージが上がったのは、田尾安志のキャラクターが楽天のイメージを代表して演出していたからである。その意味で田尾安志は楽天新球団誕生の立役者であり最大の功労者であると言える。言わば「団父」である。監督後は球団幹部への就任こそが当然の「元勲」の存在である。その二人三脚の真実を知り、球団創業への貢献に揺らぎない確信と自負があったからこそ、まさか三木谷浩史が自分を馘首するなど想像もできず、意外で非情な仕打ちに呆然としたのだろう。

無知と倣岸の三木谷浩史 - 二人三脚の創業者同志を粛清_e0079739_9545476.jpg開幕第二戦で楽天が歴史的な惨敗を喫し、その後も大敗と連敗を続けて最下位を独走し始めたとき、三木谷浩史が怒り出して現場の監督采配に口を挟むようになり、楽天の中が揉めて、結局、キーナートが解任された。あのとき田尾安志が三木谷浩史の介入を「野球を知らない人間に言われたくない」と一蹴した件が今回の解任劇の伏線となり原因となっていると思うが、田尾安志を弁護する気はないが、そのときの田尾安志の言い分には尤もと頷ける。と言うよりも、私は最下位低迷で狼狽して突然に内紛騒動を始めた三木谷浩史が全く理解できなかったし、あの戦力で戦わせてあの結果になることを予測できない三木谷浩史は極端に野球に無知な人間であることを思い知らされた。素人以下である。最下位低迷の原因は全て自分にあるのだ。吝嗇して戦力補強を怠った三木谷浩史があの楽天の惨めな敗走劇を作り出したのである。結果は最初から見えていた。誰もが口を揃えて言っていた。あの粗悪な中古品だらけの貧弱な打線では絶対に勝てない。

無知と倣岸の三木谷浩史 - 二人三脚の創業者同志を粛清_e0079739_955564.jpgあまりに野球をバカにした戦力編成だった。田尾安志に罪があるとすれば、昨秋の戦力編成段階で三木谷浩史と正面から衝突しなかったことだ。恐らく田尾安志は、公式戦に入って百敗ペースで最下位低迷しても、三木谷浩史は何も言わないだろうと高を括っていたのに違いない。三木谷浩史はそんなお人好しではないのだ。そして野球を知らないのである。戦力の整備充実よりも人件費の削減の方が大事なのだ。今年は磯部公一も岩隈久志も全く活躍できなかった。この投打の主力の二人が誤算だった点も今季の戦績に大きく影響している。が、注意して見ると、今季悪かったのは磯部公一と岩隈久志だけではない。高橋由伸も悪かった。古田敦也もケガをして途中欠場した。昨年のニリーグ制問題とストライキの騒動が彼らの精神に負荷をかけ、疲労を蓄積させていたからではないかと思うのは私だけだろうか。グラウンドで白球を追いかけるのがプロ野球選手の仕事である。慣れぬ労使交渉や署名集めやストライキは本当に心身を疲弊させただろう。

無知と倣岸の三木谷浩史 - 二人三脚の創業者同志を粛清_e0079739_9553632.jpg疲労回復が遅れたのだ。特に楽天球団の主力には同情する。カネを出して勝ちを買うのは渡辺恒雄の手法だが、三木谷浩史はカネも出さずに勝てと言う。窮極の資本主義と言うか、新自由主義の経営者の姿がここにあり、それはつまるところ強欲と強権だけが組織を支配する非合理的な独裁の論理だ。新自由主義の思想は経営者(出資者)以外を経営者(出資者)の奴隷にする。奴隷と奴隷所有者の関係にしてしまう。恐らく楽天グループの内部はこのように経営されているのだろう。各事業部長たちは経費削減と収益向上のノルマを負わされるのみで、売上拡大のための設備投資や人員補充は、よほど三木谷浩史の気分を買う偶然を得られない限り、一切認められないのだろう。古代の専制君主と同じようにギラギラと野蛮な欲望を拡大させ、恣意専横と苛斂誅求と酒池肉林に生きている。スタッフはロボットか愛人だろう。キャンプ地をわざわざ辺鄙な久米島にしたのは何故なのだ。誰かに寝具の中で久米島で遊びたいと囁かれたからか。渡辺恒雄以下。

こういう男は文化財保護者には適当ではない。文化としてのプロ野球を貶めるだけだ。
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by thessalonike2 | 2005-09-29 23:42 | プロ野球・WBC関連 (7)
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