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日中友好と中国文化研究の拠点 - NHK民営化を断固阻止せよ
e0079739_1523312.jpgNHKの「世界遺産」で万里の長城が紹介されていた。NHKが万里の長城を特集した番組を制作したことがこれまであったかどうかを思い返してみたが、一度、何年か前に、明代の長城の壁の煉瓦製作技術を解説した番組があった。ひょっとしたら今回が初の本格的な長城紹介の番組と言えるかも知れない。私の印象では、万里の長城に関しては、NHKよりもむしろTBSの「世界ふしぎ発見」の方が丹念に取材して紹介している。NHKにしてみれば、長城を二時間枠のテレビ番組にするのは、まさに自家薬籠中のものだろうが、逆に言えば、これまでNHKが本格的な長城特集番組を作り残していなかったことが不思議に思われる。黄河は一年間かけて特集した。この二週分の「世界遺産」の取材をベースにして、NHK取材班に万里の長城の一年分の企画番組を作って欲しい。現在は「シルクロード」の新シリーズが放送されている。次の中国特集番組は早くても今から四年後か五年後になるだろう。



e0079739_15234580.jpg万里の長城だけで十分に一年分の放送を構想することはできる。その確信はスタッフの中にあるだろう。だが、果たして実現するか。と言うより、次のNHKの中国特集番組は制作されることはあるだろうか。私はそれが心配でならない。NHKの中国歴史文化シリーズは、この三十年間の日中友好の政治環境の中で共同制作されてきたものである。懸念は二つあり、日本がさらに右傾化して中国を敵視する世論と政策が全面化したときに、果たしてNHKが従来のような番組制作を続けられるかという問題が一点である。これは政治を変えれば何とか元に戻るという淡い希望を抱くことができるが、もう一点の懸念はNHKの民営化で、NHKが民放になってしまえば、二度とあのような本格的な番組を制作することはできなくなる。この懸念の方が大きい。NHK民営化の問題は、米国の対アジア政策と日本植民地改造において枢要な位置にあり、だからこそ小泉傀儡政権は竹中平蔵を総務大臣に据えた。

e0079739_15235864.jpgNHK民放化のためである。NHKを米資(とライブドア)に売却し、NHKを米政権のプロパガンダと米文化の洗脳教宣装置にする。手口は郵政民営化と同じで、抵抗が予想される現在の職員に対しては、民営化後に市場放出して高騰が予想される株式の優先保有割当を内々に保証して懐柔するのだろう。小泉政権によるNHK民営化の世論誘導は、現在、ネットのプロバイダを使って猛烈な勢いで行われていて、これまた郵政民営化と同じ手口で「民営化に賛成」の多数世論を半年後には既成事実化するつもりなのだろう。頭の悪い左翼がそれに引き摺られて、受信料不払いを扇動する主張をネットで繰り返し、竹中平蔵を喜ばせている。竹中平蔵は9月のポスト小泉新政権では財務大臣に就くと私は予想しているが、これから半年間の宣伝扇動で受信料不払者を倍増させ、省内の反対派を人事で消し、NHKの二年後民営化を既定のロードマップとして固めて、法整備に着手するだろう。日本の公共放送は失われる。

e0079739_15241097.jpg本当は受信料を払ってNHKを守る運動こそを起こさなければならないのだが、脱構築によってエゴイズム(我儘)を正当化する小技を覚えたバカ左翼が、逆にNHKを崩壊させる方向で新自由主義者と「左右共闘」するだろう。日中友好のシンボルであり文化的拠点であったNHKが解体させられる。米国と新自由主義者がNHKを潰したいのは、そこが日中友好の文化的総本山だからだ。日本と中国を冷戦状態に追い込むためには、NHKは思想的に邪魔な存在なのである。NHKが日中友好の大いなる文化的拠点となったのは、そのように導いてきた偉大な知識人たちの営為と努力による。日本国民はそのことを忘れてはいけない。井上靖、司馬遼太郎、陳舜臣。彼らの導きがあってNHKは日本における中国文化研究のトップアカデミーになった。中国研究の蓄積と水準では東大や京大はNHKのはるか足元にも及ばない。個々のスタッフの知識のレベルが高いのだ。それは先輩たちに鍛えられているからである。

e0079739_15242128.jpg中国文化研究の伝統と気概があるからである。その責任感や使命感は、井上靖や陳舜臣の指導と恩恵に直接に結びついている。NHKが制作する以上、世界で最高で最先端の中国文化研究の作品を作らなければならない。世界の人々に中国の歴史と文化を教える普遍的な教材製作でなければならない。日中友好の証としての「シルクロード」以来、名作はそのような気迫と自負と信念でクリエイトされてきた。「大黄河」、「大モンゴル」、「故宮」、「大地の子」。新作は前作までの蓄積と方法を踏まえ、それらを超えて新たな展望を示し、視聴者を魅了した。そして私はNHKに中国史と中国文化を教えられて育った。「故宮」はまるで講義に臨んでノートを取るように、ナレーションの一言一句を聞き逃すまいと頭の中に刻んだ。そこには私が憧れていた世界があり、おかげで私はそれまでの唐詩の知識だけでなく、王義之の書や宋元明の文人の書画に鑑賞の世界を広げることができた。日本の中等教育は中国の政治史については教えるが、芸術文化史については唐で止まってその後を教えていない。NHKが僅かな授業料で教えてくれた。

NHKの民営化は絶対に許さない。
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本当はこの稿は万里の長城に行ったときの思い出話を書くつもりだったが、筆の勢いでNHK民営化の話になった。
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by thessalonike2 | 2006-01-12 23:30 | 靖国問題・日中関係 (9)
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