本と映画と政治の批評
by thessalonike2
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本村洋の復讐論と安田好弘の怠業 - 山口県光市母子殺害事件
e0079739_19415051.jpg本村洋を最初に見たのも「ニュースステーション」だった。記憶が不確かだが、99年の一審の求刑が出たときだっただろうか。事件の残忍性も衝撃だったけれど、彼が生放送のスタジオで発した言葉が鮮烈で、私の心の奥深いところに届き、彼に対して尊敬の念を抱いた。私が若い人間に尊敬の感情を覚えることは滅多にないが、この男は何と偉大だろうと胸を打たれた。当時23歳。簡単に言うと、彼がスタジオで言ったのは、「もし犯人が死刑にならずに刑務所から出てくれば、私が自分の手で殺す」という殺人予告だった。結論だけ聞けば過激で異様な報復宣言だが、それを論理的に説明する彼の弁舌が実に見事で、秀逸で、久米宏と一緒にずっと息を詰めて聞き入った。録画できなかったことを後悔しているが、忘れてはいない。それはまさに刑罰論であり、刑法総論の序章をなす法哲学の開陳だった。例えば国立大学の法学部の二年生が履修する刑法Ⅰの講義の冒頭で聴かせてやりたいような彫琢された美しい議論だった。

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by thessalonike2 | 2006-04-18 23:30 | 山口県母子殺害事件 (6)
法と倫理 - 規範の内面化と山口二郎の「政治改革」の失敗
e0079739_23552275.jpg刑事警察(関連)法は、警察官と警察組織を絶対に法を犯すことのない正義のロボットのように想定していて、彼らが法を犯したり、犯罪行為を行ったりということを全く前提していない。それは当然のことで、その前提が崩れれば社会の秩序は維持できない。前の記事で、警察法や犯罪捜査規範に警察官自身の違法行為に対する罰則規定がない点を指摘したが、罰則規定が必要だと言われる現在の警察の実態こそが問題で、本来的に法の不備という問題ではないだろう。警察官は絶対に犯罪を犯してはならず、絶対に犯罪を犯さない完璧な正義の人間が警察官でなくてはならず、そこに例外があってはならない。だから、問題は法ではなく、警察法の中に罰則規定を設ける必要があると言わなければならなくなった今日の警察こそが異常なのであり、このような警察を野放しにしている日本の政治と国民こそが問題なのだ。法と正義を守る警察が自ら犯罪に手を染め、自浄できぬまま社会環境を汚染している。日本の治安悪化の元凶の一つは警察の堕落とモラルハザードにある。

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by thessalonike2 | 2006-04-17 23:30 | 山口県母子殺害事件 (6)
警察法・刑事訴訟法・犯罪捜査規範 - 川俣力一(元署長)の出世
e0079739_2354733.jpg窓口対応した当時の栃木県警石橋署の生活安全課の署員と課長の氏名を調べているのだが、ネットの中で未だに発見できていない。当時の石橋署長は判明していて、氏名は川俣力一で、何とこの男は栃木県警の生活安全部長に出世していた。それからまた、私は三年前の業務上過失致死容疑での刑事告発に対して当時の石橋署員を「嫌疑不十分」で不起訴処分にした宇都宮地検の担当検事と責任者の氏名も知りたくて、どのような検察官がそのような判断を下したのか国民は知る必要があると考えている。判断の誤りと責任が追及され、その上で社会的制裁が加えられるべきだ。このような免責免罪が許されるならば、警察はどのような被害の訴えに対しても捜査をする必要がなく、被害者が死体になって発見されるまで事件として扱わなくてよいということになる。今回の事件においては警察は最初から最後まで加害者なのであり、権力を使った殺人幇助と悪質な犯罪隠蔽を行っている。権力犯罪だ。

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by thessalonike2 | 2006-04-14 23:30 | 山口県母子殺害事件 (6)
栃木リンチ殺人事件
e0079739_10455150.jpg被害者の母親の須藤洋子さんが病気でお亡くなりになっていた事実は、今回のニュースで初めて知った。この事件は心に重く、ずっと頭の中にとどまっていた事件の一つだったが、まさか母親まで犠牲になっていたとは知らず、しかも五十歳の若さで死んでいた。六年前に「ニュースステーション」で事件報道を見たときは、夫婦二人で被害者の正和さんの墓参りをしている絵が映されていて、お元気そうであり、まさか四年前に脳出血で永眠されていたとはとても信じられず、悲しい気持ちでいっぱいになる。被害者の正和さんのお母さんらしく、見るからに心のやさしそうな方だった。宇都宮地裁の民事訴訟で原告勝訴の判決が出て、判決は妥当なものだが、栃木県警は「主張が認められず残念」とコメントを出していた。判決では警察の捜査怠慢によって被害者が死に至った事実を認めているが、この事件の因果関係を客観的に見てみれば、これは単に「捜査怠慢」などという言葉で民事責任だけが追及されて済む問題ではなく、むしろ明らかに業務上過失致死の犯罪が要件構成される重大な刑事事件なのではないかと思った。

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by thessalonike2 | 2006-04-13 23:30 | 山口県母子殺害事件 (6)
小沢一郎の政治 - 政治はゲームなのか、国民は道具なのか
e0079739_1214234.jpgいつもは二言目には「マスコミに踊らされてはいけない」と言うのが口癖の良識派市民の面々が、今回は小沢一郎の民主党に熱く期待を寄せる世論の一部に積極的に参加している。この態度や言動は「マスコミに踊らされている」ことにはならないのだろうか。小沢一郎が新しく言い出した「政策理念」を評価するときは、耳に響きのいいコトバに心情共鳴して直截的に納得するのではなく、せめてその前に、この記事ほどの検証作業を経て態度決定を考えるのが成熟した市民の政治的感覚というものだろう。マスコミに踊らされて小沢一郎に期待を寄せた者たちは、いずれ遠くない時期に期待を裏切られて挫折感に苛まれることになる。結論的に言えば、小沢一郎が言葉で用意する「政策理念」というものは、基本的にテンポラリーな「方便」であり、政権獲得という目的のための手段である。政権獲得が常に目的であって、政策理念は有権者の支持を調達するための手段の言葉(文字列)であり、すなわち「対立軸」を強調し演出し説得するためのスローガンなのだ。

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by thessalonike2 | 2006-04-12 23:30 | 民主党・ ポスト小泉 (15)
民主党の「政党崩壊」と新経営者小沢一郎のマネジメントスキル
e0079739_11212494.jpg民主党議員にとって小沢一郎を代表に選んだことの失敗は、小沢一郎にマネジメントスキルがないことである。この点について民主党議員や党関係者は後で後悔することになるだろう。マネジメントスキルを比較すれば明らかに菅直人の方が上だったはずだが、そういう問題にはあまり思考が及ばなかったに違いない。この辺りにも民主党の限界と危機意識の欠如があらわれている。偽メール事件で露呈したように、民主党の現状というのは、言わば「政党崩壊」の状態にあって、正常な政党集団として機能していない。学級崩壊した小学校のクラスと同じで、教室の中は滅茶苦茶であり、個々の生徒が席を離れて勝手に歩き回ったり、無秩序に大声で騒いでいる。教師としてクラスを纏め統率するべき立場の党首の前原誠司は、お気に入りの子分衆を側に集めて身内だけで「学級ごっこ」をやっていた。「改革競争」のママゴト遊びに耽っていた。

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by thessalonike2 | 2006-04-11 23:30 | 民主党・ ポスト小泉 (15)
一日で終わった「挙党態勢」 - 小沢一郎の無能と独善と無責任
e0079739_1227858.jpg私の予想どおり、小沢一郎は菅直人を幹事長に据えなかった。代表代行は名前だけで実権はない。民主党の挙党態勢は代表選当日の一日だけで終わった。菅直人が幹事長ポストから外れたら挙党体制にも挙党態勢にもならない。小沢一郎の対立候補に投票した全体の四割ほどの議員の意思は完全に無視された形になるからだ。小沢一郎と菅直人の2トップ体制を組んではじめて挙党態勢の実現と言えるのであり、それは朝日新聞が必死で奔走し周旋した青写真でもあった。小沢一郎は朝日新聞の理想とする挙党態勢を蹴り、自分の理想の方を選んだわけで、もともと代表選は小沢一郎の本意ではなかった。小沢一郎にとっての今回の挙党態勢とは、全員が土下座して小沢一郎を仰ぎ迎え、小沢一郎の超然たる絶対権力を認める図式であり、代表選挙だの、立会演説だの、多数派工作だのは、面倒くさくて不本意きわまる想定外の煩事だったのだ。代表代行ポストは小沢一郎にとっては「話し合い」を邪魔した菅直人に対する当然の報復であった。

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by thessalonike2 | 2006-04-10 23:30 | 民主党・ ポスト小泉 (15)
「挙党態勢」と「挙党体制」の間 - 民主党代表選の政治の裏側
e0079739_126853.jpg昨日あたりから民主党のそれを表わす四字熟語が、急に「挙党体制」から「挙党態勢」に変わったように感じたのは私一人だけだろうか。私が漢字を間違ったのかなと気になって調べたらそうではないようだった。読売新聞とTBSは「挙党体制」を使っている。「挙党態勢」の方は、朝日、日経、産経、NHK、テレ朝と多く、多数に倣ってブログでも「挙党態勢」の方を使うことにするが、この二つは言葉の意味が少し違う。今回の政治ニュースについては、「挙党態勢」でも「挙党体制」でも、どちらを使っても間違いではないと思うが、どれだけの報道関係者がその言葉の意味の差異を敏感に捉えているだろう。二つを使い分けている人は多くないはずで、「体制ではなくて態勢が正しいのかなあ」と感じる程度が普通の記者の言語的感性ではないか。「挙党体制」はスタテティックでストラクチャードな意味が含まれるが、「挙党態勢」はダイナミックでテンポラリーなものである。時間軸の長さが違う。「体制」は長い時間続くものだが、「態勢」は言わば瞬間的なものでよい。

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by thessalonike2 | 2006-04-07 23:30 | 民主党・ ポスト小泉 (15)
欲望と虚栄の寄せ集め集団 - 末松義規立候補の陳腐と噴飯
e0079739_11385268.jpg民主党の代表選挙で盛り上がっているのは一部のマスコミだけで、国民の多数はシラケて傍観しているように見える。これを民主党の「出直し」だの「再生への一歩」だのと演出し宣伝しているのはテレビ朝日とTBSだけで、テレビの中でも日本テレビやNHKの視線と取扱は冷ややかなものだ。私自身も民主党に再生の機会を与えたいなどとは全く思わない。テレビを見ていたら、またあの松下政経塾の原口一博がいけしゃあしゃあと出ていた。偽メール事件のまさに渦中の疑惑人物なのだが、本人にはそんな立場意識は微塵もないらしい。2/27のTBS「朝ズバ」のスタジオで、原口一博は西澤孝に初めて会った日を2/1だと証言していた。だが、この証言は真っ赤な嘘で、私は週刊文春の記事を根拠にブログで原口一博が西澤孝に議員会館で面会した日を1/26だと指摘していたが、その記事を民主党がチェックしたのかどうか、案の定、検証報告書では原口一博は1/26に西澤孝と面会している。原口一博は国民の前で嘘をついたことになるが、責任は問われないのか。

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by thessalonike2 | 2006-04-06 23:30 | 民主党・ ポスト小泉 (15)
「ダ・ヴィンチ・コード展」のお知らせ - インダストリは拡大する
e0079739_12453987.jpg今月の27日から六本木ヒルズ52階にある森アーツセンターギャラリーで「ダ・ヴィンチ・コード展」が開催される。その「ダ・ヴィンチ・コード展」の実行委員会から、一般公開に先立って催される内覧会とレセプションへのご招待のご案内を頂戴した。一昨年の秋に本の批評をブログに上げ、その記事が検索上位にずっとランキングされていて、実行委員会の関係者の目に止まるところとなったのだろう。たいへん光栄で幸運なことである。来月5月20日には待望の映画も封切公開される。タイミングを合わせるように先月10日から文庫本が刊行されていて、二週間で百万部の売上を記録したことがニュースで伝えられていた。文庫本を待っていた待機組の読者も多かっただろう。司会者が代わって装いを一新するNHKの「新日曜美術館」も、その第一弾はレオナルド・ダ・ヴィンチの特集が予定されていて、これから初夏にかけての日本の芸術文化娯楽シーンは、「ダ・ヴィンチ・コード」一色に染まる予感がする。

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by thessalonike2 | 2006-04-05 23:30 | プロフィール・その他 (15)
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