共産党が名前を変える必要性など世間の常識の範疇だと思っていたのだが、世の中にはどうしてもそれを許せない偏執的な共産党主義者がいて、遂に
ブロガー同盟の組織にまで立ち入ってきて、党名変更を要請する議論を止めるように恫喝してきた。たかがネットで130名ほどを集めただけの市民の動きに対して、そこまで神経質になって叩き潰しに来るのかと唖然とするが、そうであれば、なおさら、こちらは共産党論を精力的に論じる必要があるだろう。仮にの話だが、共産党が社民党に党名を変更し、共産主義を放棄して社会民主主義政党に生まれ変わって、返す刀で護憲と反新自由主義の薩長同盟を創価学会に提案し、それが実現されたら日本の政治はどうなるだろう。私の予想では、まず、その一報が速報された時点で、日経平均は千円近く一気に値を下げるだろう。米資の機関投資家が驚愕して売りを入れると思われる。無論、次の日には買いが入って株価は元に戻るだろうが、このニュースはそのようにして世界に発信されるのではあるまいか。
共産党が社民党になるのだから、現在の社民党の人間は同じ党の党員になる。吸収合併。企業と同じ。吸収した方が吸収された方の名前を継ぐ。従来からの社民党の組織は消滅する。議員の大半は民主党に移籍するだろう。何人かは新社民党(旧共産党)の方に残るかも知れない。だが、これは全くたいした問題ではない。社と共が一つになるのは、こんな事は十年以上前に実現していてよかった話であって、何を今さらという感がする。熱心に議論するほどの問題でもなく、合同したって誰も驚かず、サプライズは何も無い。株価も下がらない。NHKの7時のニュースのトップになれるかどうか程度の問題だ。三十代以下の若者なら「ふーんそう」の一言だろう。驚天動地のビッグ・サプライズは創共協定である。公明党と共産党が同盟して選挙共闘をしたら、果たして何議席取れるのか。選挙直前に電光石火で狙いすまして同盟を発表し、自民党と民主党に合同の余裕を与えなかったとしたら、300の小選挙区で半数から三分の一は間違いなく取れるだろう。
危機感を感じた自民党と民主党が合同して、公共同盟(公社同盟)を阻止すべく立ちはだかっても、動きにモメンタムがつけば、これまで民主党に流れていた票の半数は公社同盟に流れる。小選挙区で少なくとも四分の一は取れるだろう。保守の自民と民主が合同し、革新である公社同盟と戦えば、これこそまさに理念型的な窮極の二大政党の選挙戦となるではないか。民主党左派の人間、例えば菅直人とか江田五月とか横路孝弘とかは、公社同盟の方に移る可能性が高い。比例区と合わせて180議席ほどの勢力になる。これであっさり憲法改正は阻止される。第一の政治目標は実現される。さらにもし、我々が唱えている左右共闘の反小泉の野党連合が実現すればどうなるか。右派の国民新党や新党日本が加わる。間違いなく野党連合は過半数を突破するだろう。反小泉連合の新政権ができる。首班は菅直人、外相は田中真紀子、官房長官は浜四津敏子、財務相は田中康夫。志位和夫は公社同盟の幹事長。とすれば党首は誰だろうか。まさか
カッシーニ。
経済政策はガラッと一変するだろう。日米安保の様相も変わる。イラク派遣自衛隊には即時帰国の命令が下る。普天間代替基地、これは建設拒否で一瞬で即決。駐沖米軍には段階的に米本土に引き上げてもらう。座間の新司令部も拒絶。横須賀の原子力空母もご遠慮いただく。閣僚の靖国参拝はなし。中韓両国とは一気に緊張緩和。天皇皇后両陛下の韓国中国訪問も実現。南京に慰霊の旅に出向いていただく。東シナ海の天然ガス田は日中で仲良く共同開発。資源エネルギー庁が厳密に測定した石油埋蔵量を発表、その日にNYの原油価格は大暴落する。経済政策の中身を埋め始めるとさらに楽しいが、ともかく日本国と日本国民にとってよいことづくめではないか。一体これで何が悪いと言うのか。共産党が社民党に党名変更して創価学会と護憲同盟を組むだけで、これほどの未来が確実に実現してしまう。可能性の芸術とはこのことだろう。私が
ブロガー同盟を呼びかけたときに描いた高度福祉国家の王国は、この政治によって実現されるのである。
マスコミも変わるし、教育現場も変わるだろう。日本人そのもののが変わると思う。地域経済は活力を取り戻し、失業者と自殺者は減り、犯罪は減って治安が回復し、子供が家庭内暴力で犠牲になることもなくなる。日本人は誇りを取り戻して前向きに生産活動を始め、所得を上げ、消費を回復させ、納税額を増やして借金を返済する。そういう日本になればよいではないか。そういう日本にすればよいではないか。そういう日本をつくるための政治を実現すればよいではないか。既成政党が現在のままでは何も政治の変革はできない。せいぜい小沢一郎が動いて民主党と新党二党を一本に纏めて終わりである。政界再編にもならない。共産党と社民党は減ってゆく護憲票を奪い合って先細りするだけだ。
カッシーニは、前に社民党が潰れたら共産党の得票が増えるだろうと言っていたが、実際にはそのようにはならない。社民党に入れていた国民の政治意識が変わるのだ。護憲から改憲に転向するのである。マスコミのプロパガンダのシャワーを浴びて、少しずつ少しずつ改憲容認に転向するのである。それが政治の真実なのだ。
想像せよとジョンレノンは言った。ジョンレノンに従おう。すべては想像するところから始まる。