堀江貴文は本当に反論の場がないのか - 田勢康弘のLD擁護
e0079739_1241877.jpgマスコミの一部で堀江貴文とライブドアをかばう同情論が上がっている。昨日(1/31)外国特派員協会で行われた田原総一朗と田勢康弘の講演会での二人の発言がその典型だが、その中で田勢康弘は、「当事者は東京拘置所におり、反論する場がない。知らず知らずにマスメディアを通じて事件が出来上がってしまう」と言って、検察とマスコミによるライブドア報道に批判を加えた。確かに現在のマスコミはライブドア叩き一色の観を呈しているのだが、ほんの三週間前までを思い出せば、マスコミは無条件のライブドア礼賛で、その中に田勢康弘本人もいた。昨年の8月、解散直後のTBS「ニュース23」のスタジオで、堀江貴文を新しい「改革」の時代を代表する経営者だと持ち上げ、堀江的な経営手法を政治の現場に持ち込んだ「改革」政治を一刻も早く実現しなければならないと強調、小泉政権の「改革」路線を援護して視聴者に与党への支持を扇動したのは田勢康弘だった。



e0079739_1242833.jpg当事者は反論する場がないと田勢康弘は言っているが、それは違う。反論はできる。拘置所の中にあっても弁護士を通じて声明を発表することは可能だ。勾留中の被疑者にも言論の自由はある。検察が世論誘導のためにマスコミを使って流す捜査情報に対して、被疑者の立場からそれを否定する反論を出すことは可能であり、むしろ世間やマスコミは堀江貴文による検察への反論こそを(ネタとして)待っているのだ。堀江貴文が拘置所からそれを発表すれば、ワイドショーは大喜びで取材するだろうし、夜の報道番組でもトップニュースの扱いだろう。検察は毎日情報を出しているのだから、堀江貴文側も毎日反論すればよいのである。検察の取調官が反論のための時間を物理的に与えないのなら、弁護士を通じてその人権侵害の状況を世間に訴えればよい。自己の無実潔白を主張して国策捜査を糾弾するのなら、精鋭弁護団を駆使して堂々と反論手段を講じればよいのである。

e0079739_124391.jpg反論はできる。できるのにしていないだけだ。それは罪を認めているからである。無実を主張していないから反論しようがないのだ。その証拠に、まず弁護団が顔を出さない。捜査が始まった後、ライブドアは数億円の巨費を投じて最強弁護団を組織したはずだが、その弁護団が全く表に出て来ない。法廷闘争を全面的に放棄した観がある。拘置所の堀江貴文が声明を出さなくても、堀江貴文に反論の意志があれば、表の弁護士を使っていくらでも反論活動することはできるはずだ。そのための最強弁護団ではないか。実際のところは、堀江貴文もライブドアも検察に全面降伏していて、世論の支持を集める言論闘争は諦めており、実際の裁判で裁判官の解釈と酌量の余地を求める戦略に出ているにすぎない。オウム真理教事件を思い出して欲しいが、弁護士の青山吉伸が娑婆にいるときは青山吉伸が、青山吉伸が逮捕されれば上祐史浩が、教団と教祖の無実を訴え、警察の「不当捜査」を連日非難した。

e0079739_12313078.jpg堀江貴文のカリスマと宮内亮治の不正錬金術で持っていたライブドアでさえ、表の社員たちは二人を見限ってすでに擁護をしていない。罪を認めているから執行部を変えた。ライブドアは(事実上)犯罪を認めていて、その犯罪責任を逮捕された幹部四人に押し被せようとしているのである。無実を訴えてはいない。堀江貴文の調書拒否も、単なる我儘で甘ったれて暴れているだけで、裁判を有利に導く目的を持った戦術ではない。逮捕された四人のうち、三人の関心はすでに判決後(服役後)の隠居生活に移っており、いかに蓄えた数十億の私財を差し押さえられずに悠々自適の人生を送るかだけしか頭にないだろう。いずれ堀江貴文もそうなる。証拠のメールで暴露されているように、彼らには犯罪の自覚があったのであり、不正や違法が発覚しないように配慮していたのである。捜査を受けた時点で終わりだと思っていただろうし、捜査を受ける身にならないように、特権者の仲間入りを目指したのである。

e0079739_1255077.jpg田原総一朗は、自民党と経団連が堀江貴文を受け入れたのは、自民党と経団連が密室談合的な古い体質から脱皮しようとしていたからだと言っているが、それは違う。逆である。堀江貴文とライブドアが(密室談合的な)特権的地位を欲しかったから自民党に接近し、経団連に入会したのだ。堀江貴文とライブドアには何の体質の新しさもない。単なる株屋であり、乗っ取り屋である。新自由主義のイデオロギーがそれにITという偽称を与え、体制認証を与えて、それらしく斬新さを粉飾させていただけだ。一見してライブドア叩き一色に転じたかに見えるマスコミだが、注意して見ると、ライブドアを擁護する論調は強靭に生きていて、むしろ実質的に擁護論の方が優勢のような状況にある。彼らの主張は、違法はよくないがライブドアの経営姿勢は悪くないというものであり、ライブドア以外の企業は全て真面目にやっているというものである。ライブドアだけが例外だと口を酸っぱくして言っている。ライブドアの社員が気の毒な気分になる。

鼻白む新自由主義者たちの名前を挙げよう。IT評論家の佐々木俊尚、公認会計士の山田真哉、中央大学教授の野村修也、一橋大学教授の佐山展生。この面々の立場を潰すためにも、東京地検特捜部はHの次のMK(とさらにその次の標的の偽IT企業)への捜査に早急に着手していただきたい。
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by thessalonike2 | 2006-02-01 23:30 | ライブドア事件 (10)
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