平沢勝栄が暴露して(2/24)、メールは例のフリーライターがライブドア社員にカネを払って捏造させたものだという疑惑が明るみに出た。この話は納得できるものだ。一方の河村たかしは、メールは堀江貴文の指示で堀江貴文の部下が発信したものだと未だに吠え続けているが、平沢勝栄の説明の方がはるかに説得力がある。メールはライブドア社内で作成されたものに違いない。メールが堀江貴文本人によるものでないことは、この一週間の各マスコミの検証作業で明らかになっていた。
偽メール事件は、今後さらに二つの問題に集中して関心を高めてゆくだろう。一つの焦点はフリーライターで、この男と永田寿康との具体的な交友関係、この男とライブドアとの関係について検証が及んで行くことが予想される。もう一つの焦点は民主党執行部の責任問題である。民主党は具体的な疑惑の証拠を出す出すと言いながら何も出さず、結局のところ、時間稼ぎをして問題を曖昧に揉み消そうと企んで立ち回っている。
しかし新事実が出て来て、民主党の立場はどんどん弱くなるだろう。五輪が終われば、民放各局のワイドショーはこのネタに集中して番組を作らざるを得ない。疑惑の渦中のフリーライター
西澤孝については、今週号の週刊新潮が詳しい記事を書いていて、その正体について衝撃の事実が満載されている。情報はすでにネットの中に溢れていて、今さら仮名で取り扱う必要もないと思われるが、一言で言って業界ゴロのガセネタ屋であり、過去に問題記事を連発して何誌かの雑誌社では出入り禁止にされている。32歳の若い年齢ながら、すでに二回の持ち込み記事で名誉毀損の裁判を惹き起こし、敗訴して損害賠償支払と謝罪文掲載の判決を受けている。経歴詐称ぶりも甚だしい。フリーライターとは言いながら、業界では詐話師同然の要注意人物だった。この西澤孝が新しく出版社を立ち上げて、今年の3月に創刊を予定していた雑誌が「DUMONT」で、その新刊号の表紙を永田寿康が飾る予定になっていた。
永田寿康はいつごろどこで
西澤孝と知り合ったのだろうか。永田寿康が雲隠れ前の先週フジテレビのインタビューに答えた映像を見ると、メールの信憑性を確信する第一の根拠として、この情報を持ち込んだ記者(西澤孝)が信頼できる人物である点を強調し、単なる記者ではなくて自分の親しい友人だと断言していた。しかし報道では西澤孝はガセネタ屋の詐話師である。二人の間に何があったのか。テレビ朝日のスパモニでは、西澤孝に直接取材して事情を聴いていた(声だけだったが)が、永田寿康とは特に深い関係はなく、またライブドアとも一切関わりがないと答えていた。テレビの取材ではライブドアとの関係を否定した西澤孝だが、平沢勝栄の暴露では、西澤孝自身がメールの内容を案出して、関係のあるライブドア社員に現物を書かせている。話が矛盾する。民主党の説明でも、内部告発したライブドア社員が西澤孝にメールを持ち込んだという話だから、西澤孝本人が全くLDと関係がないということはあり得ない。
つまり、
西澤孝はスパモニのインタビューで嘘を言っていることになる。メールを持ち込んだフリーライターについては情報が出た。これから来週にかけて、その先のライブドア社員の正体にまで暴露の範囲が及ぶだろう。平沢勝栄がテレビで情報を漏らす前に抜けばスクープになる。平沢勝栄が人物を特定しているのは確実で、西澤孝とLD社員の間の具体的な関係や渡ったカネの金額も掴んでいるはずだ。雑誌が抜かなければ、ワイドショーで平沢勝栄が徐々に漏らして行くだろう。偽メール事件についての真相解明は、現在のところ、テレビでも雑誌でもなく平沢勝栄が主導権を握っている。永田寿康と西澤孝とLD社員の三者間の事情は我々が最も知りたいポイントでもある。17日だったと思うが、テレビの前で前原誠司が、自分も記者(西澤孝)に直接面会して話を聞き、記者が信用できる人間でメールが本物であることを確信したと発言していた。それを見たとき少し驚いたが、確かに前原誠司はそう言っていた。
永田寿康以外に
西澤孝と会ったことがある民主党の人間は、前原誠司だけか、前原誠司と野田佳彦のニ人だけだ。今回のメール質問は民主党にとっては極秘作戦で、この三人以外の人間は事前に関知していないし、事後の現在も情報を知らされていない。西澤孝と永田寿康の二人は、今度の国会質問を新刊誌「DUMONT」の創刊を記念する祝賀行事にするつもりだったのだろうか。普通の人間の感覚からすれば、ここで西澤孝から永田寿康と前原誠司にカネが流れていたのではないかという推測になるのだが、プロフィールを一瞥するかぎり、年齢的にもさほど資産を持っているようには見えない。前原誠司と永田寿康と西澤孝の三人に何があったかが知りたい。そこに何かがあったかどうかは不明だが、何かがあったのではないかと一度は考えてみなければならないほど、今回の偽メール事件はお粗末なのだ。可能性として、偽メールは単に持ち込まれたものではなく、メールの捏造を永田寿康自身が最初から知っていた可能性もある。
すなわち二人による共謀事件。何れにせよ、世間を騒がせた西澤孝は表に出てきて釈明をすべきだろう。