偽メール事件がますます混沌として魑魅魍魎な様相を呈してきた。今朝になって突然、メールの受信者と発信者が同じ「フリーライター」だという話になった。
東京新聞が一面トップでこの件を報じていて、朝の各局ワイドショーも河村たかしの談話で民主党の調査によってこの「事実」が判明したと言っている。さらに今朝発売された週刊現代(3/11号)でも、編集部が黒塗りされる前のメールを入手したとして、送受信アドレスが同じであったことを報じている。奇妙な感じだ。この情報を否定する材料はないのだが、何で急に今日になって出てきたのだろう。ワイドショーの報道では、要するにフリー記者の向こうに情報源のライブドア社員がいたという話は嘘で、さも情報源があるようにフリー記者が見せかけた自作自演の一人芝居であり、それに永田寿康が巧く嵌められた結果だという説明をしていた。だが同時に、それとは少し矛盾する感じの話も出ていて、送受信アドレスの欄を黒く塗り潰したのは永田寿康自身だったという情報である。
混迷していて何が真実なのか分からない。この疑惑のフリーライター(
西澤孝)が表に出て証言しないかぎり真相解明は一歩も前に進まず、それまでは平沢勝栄の暴露を信用して導きの糸にするしかない。民主党から出てくる情報というのは全く信用できない。私は「メールの送受信アドレスが同じ」という情報は現時点では信用していない。今朝のワイドショーの河村たかし談話では、メールの送受信アドレスが同じでフリー記者のものだという事実が判明したのは、四、五日前のことだという。それなら何故そのことを今まで発表しなかったのか。胡散臭い。この「事実」そのものが、民主党による辻褄合わせの捏造ではないのか。記憶では、2/19の「バンキシャ」でメールの検証報道があり、メールソフトの専門家なる人物が登場して黒塗りの下のユードラのバージョン情報を暴いたのだが(堀江貴文が使っていない古いバージョン)、その中ではメールの送信元と受信先のアドレスが一致するなどという話は出ていなかった。
コピー入手したメール文書からユードラのバージョン情報を読み取れる程度に黒塗りの下の文字を判読できるのであれば、メールアドレスも十分に判読できていたはずだ。なぜ「バンキシャ」はその大事な事実を放送しなかったのか。同じく昨日(2/26)の「バンキシャ」では、黒塗りの下の名前を明かして、上の部分が「山崎」、下の部分が「北川」である検証情報が公表された。だが、昨夕の放送でも送受信アドレス一致の情報は番組の中では出なかった。おかしいではないか。何か嘘がある。何かが隠されている。急に解禁されたように本日の朝になって「送受信アドレスが同じ」、すなわちフリー記者の自作自演という「事実説明」にさせられている。フリー記者の自作自演説を補強するかのように民主党筋から流されている情報が、「永田寿康が『ネタ元に騙された』と言っている」という情報で、何やら永田寿康を「被害者」に仕立てて見せるような演出である。これも怪しい。ここまで情報が錯綜した場合は、自分で推理を組み立てるしかない。
私は永田寿康とフリー記者(西澤孝)は共謀共犯関係だと考えている。メールの捏造は二人で企てたものだ。そしてフリー記者(仲介者)の向こう側にいるライブドア関係者(情報源)というのは必ず存在するはずだ。平沢勝栄は先週のテレビ番組で、仲介者と情報源との間にはドロドロした関係があり、カネのやり取りがあると明確に指摘していた。今度の民主党の証言(と東京新聞と週刊現代の報道)は、情報源の存在を否定するものであり、これは何かと言うと、要するに民主党はライブドア社内に存在するはずの内部告発者を隠そうとしているのではないか。つまり党を挙げて、この堀江貴文から武部勤の二男に賄賂が贈られたという疑惑を自ら否定しようとしているのである。フリー記者の功名目的の自作自演のデマだったというところに「事実」を落着させようとしている。永田寿康はフリー記者に騙された軽薄なお調子者だったという「事実」で済まそうとしている。それで世間を納得させようとしてる。本当はそうではないはずだ。
フリー記者に武部勤の二男と堀江貴文との間のカネのやり取りの噂を漏らしたLD内部の人間がいるはずだ。情報源と仲介者の関係があるはずだ。そして噂を聞いたフリー記者が話を永田寿康に持ち込み、その噂話を元に二人で相談して捏造メールを作った(カネを払って情報源の人間に作らせた)はずなのだ。そしてその捏造メールを週刊文春と週刊ポストにフリー記者が持ち込み、メールの信憑性を疑われて掲載を拒否され、そのために記事にならないまま国会質問に至ったというのが真相なのではないか。私はそのように推理する。本当は永田寿康は国会質問の前に週刊誌で事件にしておきたかったのだ。疑惑追及の環境を事前に作っておきたかったのだ。だから、この偽メール事件の首謀者はフリー記者個人ではなく、永田寿康とフリー記者の二人である。永田寿康は騙されたのではない。それは民主党が最近になって意図的にマスコミを使って事実化しようとしている作り話だ。嘘だ。要するに民主党は武部勤の件の追及は撤回したのである。
偽メール事件の真相を掴んでいる自民党と取引して、事件の真相暴露を控えてもらう代わりに武部勤と堀江貴文との間の贈収賄の問題も闇に葬ろうとしているのである。民主党と自民党との間でWinWinのバーター取引が成立したのだ。それが「送受信アドレスが同じ」の「落着」(=幕引き)の裏側である。自民と民主が手打ちした以上、平沢勝栄の情報も信用できない。今後は暴露情報ではなく操作情報になる。それと、今日(2/27)昼のTBSの番組に出演した河村たかしは、件のメールの黒塗りされていない現物について、紙ではなくPC上で目撃したと証言していた。この証言は重要である。民主党関係者のPCのユードラ(旧バージョン)の上にそのメールが乗っていたと言っているのである。この話は誰が聞いてもおかしいだろう。民主党関係者がメールの偽物を作ったか、メールの作成者が民主党関係者あてにメールを送ったかでないと、河村たかしの証言のような事態はあり得ない。この証言は、まず、メールが本物であると言っている民主党の主張を根底から突き崩す。そして次に世論操作用のメールの贋作が民主党内部で作られているのではないかという推測に及ぶ。