偽メール政局が燻っている。3/14の産経新聞の
記事では、民主党メール問題検証チームの座長の玄葉光一郎の発言として、調査結果の発表の時期が「
今月いっぱいか、来月にずれ込むかもしれない」と報じられている。カギカッコで閉じた形式で玄場光一郎の発言を紹介したということは、玄場光一郎が産経新聞の記者の前で実際にそう語ったことを意味するし、その言葉を記事にさせて、民主党の検証チームの発表を遅らせる旨の観測気球を上げて、世論の反応を様子見しようとしている意図が窺い知れる。これは私の
予想どおりであり、検証チームの作業がデッドロックに乗り上げた状況を暗示しているが、しかしそういう記事を書かせて、検証結果発表の遅延を既成事実化しようとする民主党の姑息な情報工作を、われわれ国民は簡単に見逃すわけにはいかないだろう。細野豪志は3/2の「ワイドスクランブル」のスタジオで、二週間後に検証結果を発表すると公言している。
細野豪志本人も
ブログでその事実を認めている。検証結果は約束どおり今週末の3/17には発表してもらわなくてはならない。そうでなければ、民主党は国民の前でまた嘘を言ったことになる。「しっかり事実を検証して信頼回復」と言っていた言葉が嘘になる。玄葉光一郎も真相を知って愕然としたのだろう。ありのままを公表すれば民主党が潰れる。いま焦点は永田寿康の議員辞職で、昨日は前原誠司までが永田寿康に議員辞職を迫る
発言をした。卑劣な男だ。2/23に永田寿康が議員辞職しようとしたとき、無理やり辞職会見を潰して永田寿康を病院に監禁し、「辞職の必要は全くない」と言っていた前原誠司のこの変わりよう。自分の代表の地位を守るためにはここまで何でもするのか。現時点で自民党と民主党の幹部間の思惑は完全に一致していて、落としどころは今週中の永田寿康の議員辞職である。永田寿康に掴ませるカネは自民党の方が用立てている可能性もある。
少し奇妙に見えるのは、民主党が言い出したフリー記者証人喚問容認発言で、これは少し裏を読む必要があるだろう。西澤孝に国会に出て来られて全てを喋られたらいちばん困るのは前原誠司のはずで、だからこそ、これまで仲介者の名前も出さずに隠し続けてきたわけだが、ここに来て証人喚問を容認するというのは、自民党と前原誠司と西澤孝の間で何らかの「芝居」の台本が一本出来上がったからなのだろうか。何れにしても、検証チームの結果発表をズルズルと先送りしたままで、しかも懲罰委員会の結論が単に三十日間の登院停止でお咎めなしでは国民が納得するわけがなく、そこで何か国民を納得させる「イベント」が必要になって、西澤孝に国会で何か喋らせるということだろう。無論、西澤孝の病院入りという「芝居」のやり方もあるわけで、国民の憎悪を西澤孝と永田寿康の二人に集中させて、言い訳の体面をつけた格好の前原誠司がのうのうと生き延びるという作戦はある。
が、果たしてそううまくいくか。前原誠司と民主党が真相をうやむやにして隠そうとすればするほど、国民は偽メール事件の真実を知りたがるわけで、この問題への関心の圧力がそれほど急速に低下するとは思わない。この件に関連して、馬渕澄夫のブログに
面白い記事が載っていて、3月8日の日記だが、2/27の週のある夜に馬渕澄夫が野田佳彦を連れ出して神楽坂のバーで酒を飲みながら偽メール事件について話を聞く場面が登場する。記事では具体的なことは何も書いておらず、ただ野田佳彦が「「イヤー、いろいろあったけど、墓場まで持ってくしかねぇなー。」と言ったと書き、そして馬渕澄夫が「私などが知らないことが本当にいろいろあるのだろう」と書いて終わっているのだが、私はこれは嘘だと思う。野田佳彦は馬渕澄夫に全て真相を話したのだろう。野田佳彦というのは、嘘つきのワルばかりが揃った民主党の中では他人に嘘をつくのが下手な正直者のところがある。
2/26の「サンデープロジェクト」でも、田原総一朗が突っ込んで聴き出せば、弱気になって少し真相を漏らしそうな気配はあった。野田佳彦が神楽坂のバーで「
墓場まで持ってくしかねぇなー」と言ったのは事実だろう。だが、その墓場まで持っていく話の中身を馬淵澄夫は野田佳彦から実際に聴き出したはずだ。記事では表面上は何も聞かなかったことにしているが、それは一般読者向けの「公開情報」であり、実はこのブログ記事は意味があって、俺は野田佳彦から偽メール事件の真相を全部聴いたぞという「事実」を民主党の執行部や議員たちに伝えているのだ。政治的なシグナルなのである。俺は真実を知っているぞという立場宣言であり、聴きに来たら教えてやってもいいぞという政治的暗号でもある。野田佳彦は馬渕澄夫から呼び出しの電話がかかってきたとき、当然、この誘いは偽メール事件の情報収集だろうと分かったはずだし、それに応じて出掛けたということは、情報提供に応じたということである。
神楽坂で会談を持った日付は記されてないが、2/27には野田佳彦は国対委員長を辞任していて、その直後ということになるだろう。「墓場まで持っていくしかない」とまで野田佳彦に言わせているのだから、コトは単純な話ではないのだ。沈黙を守り続けなければ党が潰れるほどの重大事件だという意味が含まれている。だから偽メール事件は、単に西澤孝がガセネタを週刊誌に売り損なって、それを民主党に売ってカネを儲けたというような簡単な話ではない。カネが動機ではない。西澤孝が事件の起点でもない。メール捏造は永田寿康自身が最初から関与している。西澤孝が週刊誌に売り込んだのは、永田寿康や原口一博と議員会館で国対戦略会議を開いて、ライブドア事件に絡めて武部勤追及の「企画」を相談した後だ。武部追及の大きなプロジェクトの一環としてメールを週刊誌に持ち込んだのだ。カネ目当てではない。それは平沢勝栄の作り話だ。偽メールは偶発的なものではなく計画的なものである。
そこには前原誠司も何がしか絡んでいる。偽メールの計画性と前原誠司の関与、それこそが野田佳彦の言う「墓場まで持っていく」秘密である。