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本と映画と政治の批評
by thessalonike2


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綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党
綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党_e0079739_214812.jpgようやく永田寿康の口から西澤孝の名前が出て、偽メール事件は次の段階に一歩進むことができるようになった。しかし、それにしても本当に時間を無駄に浪費してダラダラとやっている。時間稼ぎを際限なく続けて問題をうやむやの裡に揉み潰したい民主党と、国会審議の主導権と4月の衆院補選での優勢を確保する道具として利用したい自民党の、両党の思惑が一致して、五週間前の2/17に提出された永田寿康の懲罰動議の委員会処理が、結論を出さないままこんな遠くまで延々と先送りされていた。「まだやっているのか」というのが国民の正直な感想だろう。私も同じだ。本日(3/24)の懲罰委員会質疑の中で正鵠を射ていたのは、最後に登場した国民新党代表の綿貫民輔の議論で、まさに国民の意見を代弁する正論中の正論が展開されていた。それは懲罰委員会の意義を正面から憲法論として述べたもので、中学三年生の公民の授業でそのまま生徒に聴かせたいような内容のものだった。



綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党_e0079739_1774735.jpg明治憲法下の帝国議会に懲罰委員会の制度はなく、これは現行憲法下で新設されたものである。その意味はまさに国民主権に関わるもので、国会を国民主権の国権の最高機関として担保するためには、議院は自らその権威と品格を守らなければならないという議会制民主主義の前提があり、懲罰委員会はその原則に基づいて存在するのだという定理だった。綿貫民輔は「国会の権威と品格」という言葉を何度も繰り返し、国権の最高機関の権威が傷つけられる事は、主権者たる国民が傷つけられている事だと力説した。基本的な議論だが、偽メール事件の本質はまさにここにある。野党が野党の主体性を失えば、議会制民主主義は実質的に機能しなくなる。綿貫民輔の主張は、憲法が綿貫民輔になりかわって永田寿康や前原誠司に諭しているようだったが、聞く永田寿康の面の皮はぶ厚く、そんな教科書じみた正論の説教は不要とでも言いたげな顔で、ふてぶてしく開き直って聞き流していた。

綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党_e0079739_1781176.jpg前原誠司とか永田寿康とか細野豪志とか、民主党の若い連中には、議会制民主主義の理念が自己の思想の内側にない。議会制民主主義を守ろうという信念や規範意識が全くない。憲法の国民主権も、議会制民主主義も、彼らにとっては単に教科書に書かれた迂遠で面倒くさい一般論であり、タテマエを規定したペーパーセオリーの存在でしかないのだ。ゴマカシとスリカエでその場その場の時間を埋め潰せば、窮地を脱して責任回避できると確信している。細野豪志と永田寿康の二人は、この偽メール事件の一ヶ月間に実にふてぶてしい面構えと立ち回りの能力を身につけて、彼らにとっての「理想」の政治家像に近づいた。「大人の政治家」に成長した。テレビカメラの前でをつきまくっても、矛盾だらけの偽りの「説明」を吐きまくっても、表情ひとつ変えない豪胆な政治家に変身した。男は三十代に剛腹な人間に成長するものだなと思う。ところが先輩の前原誠司は、何やら消耗感を標榜する顔に変わり始めた。

綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党_e0079739_1782124.jpg男も四十代を過ぎると、で窮地の連続を突破する体力に衰えが出るに違いないのだ。面の皮がぶ厚くなり、口の角が曲がるのが、三十代だとまだ「男の成長」と自覚できる程度なのだが、さすがに四十代になると、それに加えて頭髪が減耗したり、顔面の小皺に転化したりで、嘘つきが精神と身体に反作用する負担が重くなるのである。一ヶ月前と較べて確かに前原誠司の顔つきが変わった。細野豪志と永田寿康と前原誠司に言っておくなら、三人がテレビの前で白々しくをつき、その場をゴマカシて逃げる場面を見せれば見せるほど、民主党に対する国民の嫌悪は増幅し、反発の感情が膨張し、民主党の支持率は下がって行くのだ。現時点で意識調査をすれば、民主党への国民一般のアパシーと言うかネガティブシンボルの心理状況の程度は、公明党や共産党と同じかそれを上回るのではないか。民主党の若い人間は平気でをつく。例えばメール問題の検証結果を二週間後に出すなどと平気でを言う。

綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党_e0079739_1783786.jpg国民を腹の底からバカにしているからが言える。それが民主党だ。自分は選ばれたエリートであり、国民は頭の悪い働きバチであり、自分は国民を騙す身分と能力があり、国民は愚鈍で無能だから自分のに騙されるしかない。そう信じているから何週間でも何ヶ月でもを言い続け、自民党政権にすがって偽メール政局を責任揉み消しの結末までドライブし続ける。民主党の支持率が下がっても、暫くは国政選挙はないからどうってことはないし、どうせ来年になれば国民はバカだから偽メールの話も全部忘れている。バレなきゃいいからをつき続ける。前原誠司が言っている「生き恥を曝す」政治処世というのは、バレるまでをつき続けるということであり、権力闘争に負けて責任を取らされる最後の最後の瞬間まで居直り続けるということである。さて、次は西澤孝の証人喚問だが、民主党はいつまで偽メール事件の「嘘つき芝居」の興行を続けるつもりなのか。懲罰委員会の席には小沢一郎と菅直人の二人が座っていた。

皮肉なのか何なのか。菅直人は自分が日本の議会制民主主義を破壊している中心人物だという自覚があるだろうか。そして左サイドから「政治改革」を扇動した山口二郎と後房雄、ブログを読んでいるのなら何か言ったらどうだ。「政治改革」が生んだ嘘つき民主党を見てどう思う。責任は感じないのか。
綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党_e0079739_1784856.jpg

by thessalonike2 | 2006-03-24 23:30 | 偽メール事件 (20)
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