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本と映画と政治の批評
by thessalonike2


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NHKドラマ「ハルとナツ」(2) - 「明治国家の精神」の破潰と傷疾
NHKドラマ「ハルとナツ」(2) - 「明治国家の精神」の破潰と傷疾_e0079739_1654564.jpg佐世保を出た三笠は、白い航跡を曳きつつ西北へ針路をとった。この季節にしては海上はおだやかで、西方に多少濛気があり、このため左舷にみえる五島列島の山々が、浅くひと刷けで刷いたようにかすみ、いかにも翠黛といった感じの色調をなした。(中略) 昼食のあと、真之は前甲板まで散歩した。前部主砲の下をくぐって右舷に出ると、平戸島がみえた。島の上に白雲がかぶさり、その下に竹木が繁茂し、いかにも物成りのいい国であることをおもわせた。これも水蒸気の多い気候風土のおかげであるにちがいなかった。日本は外国に売るべき資源もなく、ただ水っぽい土壌の上に成る稲の穂をしごいては食っているだけの農業国家にすぎなかったが、無理に無理をかさねて三笠のような軍艦をもち、大海戦をやるに堪える連合艦隊をそろえた。この国土のどこからその金をひねりだしたかとおもうと、真之でさえ奇蹟のようなおもいがする。 (文春文庫 第六巻 P.271)


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# by thessalonike2 | 2006-03-29 23:30 | プロフィール・その他 (15)
NHKドラマ「ハルとナツ」 - 橋田壽賀子の社会科学的説得力
NHKドラマ「ハルとナツ」 - 橋田壽賀子の社会科学的説得力_e0079739_16401654.jpg橋田壽賀子原作のドラマ「ハルとナツ」が再放送されていて、その第一回が昨日(3/27)の夜だった。舞台は戦前で、北海道の貧農の一家がブラジルのコーヒー農園へ移民に行く話。一家は北海道から列車を乗り継ぎ、神戸から船に乗ろうとするが、七歳のナツがトラホームのため一人だけ日本に残されてしまう。仲のよかった二歳上の姉ハルと妹ナツが船のタラップ上で引き裂かれる別離のシーンが最高で、感動して涙がこぼれてしまった。特に妹ナツ役の志田未来の演技が素晴らしく、この場面の演技は日本のドラマの歴史に永久に残るだろう。思えば二十年前の「おしん」の小林綾子もそうだったけれど、橋田壽賀子のドラマは子役(主人公の女の子)が感動的な場面を作る。子役にきわめて重要な役割を負わせ、そして子役に抜擢された女の子が、まるで橋田壽賀子の魂が乗り移ったかのように迫真の演技をこなして作品に命を吹き込む。姉妹の愛がテーマのドラマだけれど、戦前から戦後の日本人を描き出す橋田壽賀子の絶妙の世界、すなわち「おしん」の世界が見事に再現され訴えられていて、懐かしさとともに納得的に受け入れられ、テレビの画面に九十分間釘付けになってしまった。

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# by thessalonike2 | 2006-03-28 23:30 | プロフィール・その他 (15)
疑惑五人衆 - 馬渕澄夫,石関貴史,北神圭朗,藤末健三,松本大輔
疑惑五人衆 - 馬渕澄夫,石関貴史,北神圭朗,藤末健三,松本大輔_e0079739_21213643.jpg報道によれば、問題の雑誌Dumontパイロット版誌上にインタビュー記事が掲載された民主党議員は、永田寿康の他に馬渕澄夫、石関貴史、北神圭朗、藤末健三、松本大輔の五氏である。テレビ局が取材した情報では、永田寿康以外にDumont誌を購入した議員はいない。この五人の中でHPやブログ上で僅かでも事の経緯を自ら説明している議員は藤末健三だけで、3月6日の日記において簡単に触れられている。それによれば、藤末健三がDumontのインタビューを受けたのは昨年10月17日で、民主党の同僚議員の秘書に紹介されてのものだった。先週の懲罰委員会での永田寿康の弁明でも、昨年の10月に民主党の国会議員の秘書を通じて西澤孝と知り合った事実が述べられている。現在、西澤孝と最も関係の深い民主党議員は永田寿康だが、半年前はそうではなく、別の民主党議員筋が西澤孝のカウンターパートだった。それは具体的には馬渕澄夫とその秘書である大西健介である。

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# by thessalonike2 | 2006-03-27 23:30 | 偽メール事件 (20)
Blog Status Report Mar 06 - Achieved access record
Blog Status Report Mar 06 -  Achieved access record_e0079739_12211385.jpg月末の週末なので恒例のブログ報告を。一昨日(3/24)、開設以来最高となるアクセス数を達成した。ビジター数が66,221、ページビュー値が80,735(アクセス解析データによる)。この高い数値が出た理由は、言うまでもなく衆院懲罰委員会で偽メール事件をめぐる永田寿康への質疑があり、そこで西澤孝の名前が出て、多くの人々が検索エンジンで「西澤孝」を調べて情報を得ようとしたためだ。西澤孝のキーワード検索では「世に倦む日日」は現在第3位となっている。アクセス解析を見ると、一昨日だけで西澤孝のキーワード検索から25,000件がブログに来訪していて、氏名公表の影響の大きさがアクセス数に反映された結果となった。実はタネを明かせば、これは意識して予め仕込んだものが計画どおり結果になって現れたものである。Google検索でトップに登場する記事は一ヶ月前の2/24に公開したものであり、この時点ですでにネットには本名の情報が流れていた。

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# by thessalonike2 | 2006-03-26 23:30 | プロフィール・その他 (15)
綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党
綿貫民輔の正論 - 「政治改革」が生んだ嘘つき民主党_e0079739_214812.jpgようやく永田寿康の口から西澤孝の名前が出て、偽メール事件は次の段階に一歩進むことができるようになった。しかし、それにしても本当に時間を無駄に浪費してダラダラとやっている。時間稼ぎを際限なく続けて問題をうやむやの裡に揉み潰したい民主党と、国会審議の主導権と4月の衆院補選での優勢を確保する道具として利用したい自民党の、両党の思惑が一致して、五週間前の2/17に提出された永田寿康の懲罰動議の委員会処理が、結論を出さないままこんな遠くまで延々と先送りされていた。「まだやっているのか」というのが国民の正直な感想だろう。私も同じだ。本日(3/24)の懲罰委員会質疑の中で正鵠を射ていたのは、最後に登場した国民新党代表の綿貫民輔の議論で、まさに国民の意見を代弁する正論中の正論が展開されていた。それは懲罰委員会の意義を正面から憲法論として述べたもので、中学三年生の公民の授業でそのまま生徒に聴かせたいような内容のものだった。

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# by thessalonike2 | 2006-03-24 23:30 | 偽メール事件 (20)
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